ベース弾き菊田茂伸のブログ

都内近郊を中心に活動を展開する、Jazz・Pops・Soul・R&Bなどなどでベースを弾く菊田茂伸の、スケジュールなど情報を中心に発信するブログであります。

菊田茂伸トリオ「音のツアーズ」収録曲解説

1.Where Shall We Go?
2019年ごろから富山にて年1〜2回のペースで地元のミュージシャンの皆様と続けて開催しているライブイベント「音のツアーズ」のテーマソングとして書き上げたナンバーです。ライブイベント「音のツアーズ」はライブを聴いてる皆さんがまるで旅行に出ているような気分になるよう、「旅」をテーマに楽曲が構成されてます。コロナ禍を挟んだことでこのテーマはよりニーズを感じ、自分の活動の中でも重要なものになりました。
あれ?待てよ?菊田トリオも「風景をもとに音楽で描く」サウンドをキャッチフレーズにしているはず。この「音のツアーズ」ってそのままトリオでも出来るのではないか?とアルバムの構想を練り始めました。いろいろ考えている中この曲が完成したことが今回のレコーディングの決定打となったのです。
シンプルな32小節のアッパーなスイング曲の中に、皆様を旅へ誘うストーリーを詰めることができたと自負しております。


2.Leaving
日本人だけでしょうか?旅愁って感覚があるのは?
「旅に出ました、楽しい!美味しい!スパイシー!(?)」って曲だけなのは何かバランスが悪いし、それだけなのは何か嘘くさい気がするんです。
旅って色々あると思うんですよ。誰かに会いに行くだけではなくて、何かを忘れるためだったり。新しい自分に出会うということは、今の自分が過去のものになってしまうということではないでしょうか。
トリオでは珍しく、いかにも旅愁を漂わせるようなメロディと質感、敢えて正面から描いてみました。解決感の無いインタールードもお気に入りです。


3. Trammin'
ライブツアーなどに出るとどうしてもスケジュール詰め詰めになってしまうため、1箇所の滞在が短くなってしまうことが多いのです。もちろん仕事ですし、演奏に来たのだからそれが当たり前なのですが。多くの荷物、楽器、CDなどを持っての移動が普通です。しかし、ふらりと目の前に現れた路面電車に手ぶらでふらりと乗るような旅が出来たら、どんなに素敵なことでしょうか?
ツアーで訪れた各地、あちらこちらで路面電車の風景を見ることができました。札幌、高岡、堺、岡山、高知。この曲は富山の市内をゆっくり走る路面電車をイメージして書きました。Trammin'は英語「Tram」から派生した創作単語です。


4. Everybody Gets To Go To The Sea
2021年夏。都内のコロナ新規感染者5000人突破した日に私はイベントが行なわれる北海道小樽を目指してました。広大な空と大地、本来ならウキウキで仕方ないはずなのになんとなく後ろめたい気持ちも。そんな複雑な気持ちを抱えながら快速エアポートから見える風景を眺めていると、そこは広がる石狩湾。白い砂浜の上にはしゃぐ大勢の道産子達(違う方もいただろうが)の姿が!!北海道の短い夏を全力で感じる彼らの姿とそれを悠々と受け入れる海を見ていたら、いつの間にか先程までウジウジが気持ちが無くなっているではありませんか!いきなり北海道の「大きさ」にやられた瞬間でもありました。
帰ってきてからそんな風景を思い出した曲がこちらです。そう、人はみんな海を目指すのです。


5. Into The Sea Of Clouds
2022夏、ニセコでライブイベントのため開催前日より会場入り、設営・リハーサルを終えると街は霧の中でした。宿泊先を目指し山を登っていくと急に満点の星空と羊蹄山のシルエットが。途中で飲み物を確保しなければならないことを思い出し、数分前に通り過ぎたコンビニに引き返したところ、霧の入り口がくっきりと現れました。その霧はとても濃厚な白。まるで白いカーテンのようでした。雄大な大地の、壮大な夜空の元、それらすらも飲み込んでしまうような雲海の中に車ごと身をを沈めるのでありました。

6. Pass The Peak
札幌から40分ほど南に車を走らせると、温泉でも有名な名勝定山渓に辿り着きます。さらに南に国道230号線で山の中を進んでいくと、うねうねと坂道が続きます。話によるとかつてはさらに厳しい道のりだったとのことです。
そしてその坂を登り切るとその頂点中山峠へ到達します。この高度だと夏でも札幌の街より6〜7度気温が低くひんやりした空気が流れます。パーキングエリアで販売されている名物「あげいも」は、北海道産の美味しいじゃがいもをアメリカンドッグの衣につけ、歯触りサクッの仕上がりな軽食。一串3個セットですが、3個食べるとその日の夕飯食べられなくなります。注意。
あれ、曲の解説でしたよね?そんな中山峠の曲です。


7. Drizzle In Summer
夏の朝。目が覚めると涼しい風と共に雨の湿った空気が。静かな霧雨が時間を通り過ぎていきます。屋根から時折降りる雫がしとしとと。
ここまで急いだ旅、何か気持ちの忘れ物はないかい?と誰かに訊かれているような気すらします。
大きく息を吸い込むことでそこにある忘れ物を全て拾い集め、次の出発の準備を始めました。
人間、時折しっかり湿気のある重めな空気に触れる必要があるようです。


8. Harvest
前作「Birthdays」では田植えの季節と美しさを讃えた「Daddy's Paddy」という曲を披露させていただきました。この曲を仕上げた時から、セルフアンサーソングを書こうと心に決めており、今回「収穫」というテーマで書かせていただきました。
実際夏から秋にかけて私がツアーに回ると、頭を垂れる稲穂があたり一面に広がる道などに出くわすことがあるのです。それはまるで金色の絨毯、海。この場所に向かい合った方々のここまで積み重ねた努力がこの色の原料なのではないでしょうか。
宮城、富山、新潟と、そう言えば私の旅は米どころばかり回っているような。そういうご縁なのかもしれません。


9. この街に住めたら
旅などちょっとした散策でも、その街の不動産屋などに出会ったら部屋なり物件なりのチラシなど覗いたりしませんか?自分はよく立ち止まって見てしまいます。さらに時間があったら、もし自分がこの部屋にこの街に住むのであれば、どんな生活をするかな?どんな出会いがあるかな?など、空想に更けたりすることもあります。
そんなイメージを曲に落としてみました。どこか足が地面についてないようなふわふわした気持ち。でもやはりそれは現実にはなかなかなり得ないあくまで空想、切ない気持ちも混ざる。そんなシーンが伝われば幸いです。
旅って日常に近いちょっとしたところにもあるんですね。


10. Hymn To The River
四国を東西に流れる川、吉野川。地図上では存在を知ってはいたものの、いざ河口にたどり着いた時想像を超える雄大さにひたすら唖然としました。そして川に沿ってさかのぼってゆくと、そこには豊かな自然と人々の暮らしが。そして上流の険しい自然の中を泳ぐ渓流の美しさ。水面の輝きはまるで生きているかのように。まさしく四国という島の「母なる川」がそこにありました。
ちょうど滞在中天候にも恵まれたこともあり、陽のイメージが残りました。でもきっとそれだけじゃない、そこにある厳しい自然とその中で生きる人間を讃える曲を書こうと思い、旅を終えしばらくしてから形にすることができました。
また伺いたいです。


11. Rainbow Rainbow
10日以上の長いツアー、その最終地点に選んだのは北海道帯広。初めて向かう土地に向かう車の中から巨大な虹を見ました。前に曲にした「四時の虹」よりも明るく、でもとても鮮明な虹。十勝平野は本当にまっ平ら、よくこの果て無い土地を先人は開拓したよなと思います。その大地の縁に虹はしっかりと根付いて生えてました。
虹の根元には何があるって話、昔どこかで聞いたなとか思いだしました。この長い旅を労ってくれてるのか、ようこそ帯広へ!なのか、とにかく虹が我々のことを歓迎してくれてるようでした。
本当にすごいものを見ると人間、言葉を失くして笑うしかできなくなるんですね。そんな曲です。



音のツアーズ、曲解説でした。最後までご覧になっていただきありがとうございました。
もし、もう少しお時間ございましたら、地図上で辿る「音のツアーズ」もいかがでしょうか?
「音のツアーズ」はこのあたりの風景を描いております。
「音のツアーズ」Google Map イメージマップはこちら

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